最近これといって何ごともないもので、一つ実家帰省時の話など。


実家に帰省して、二日もたった頃だろうか。
さすがに授業終わり後、すぐさま新幹線に飛び乗るという荒業をやってのけたこともあり、じわじわと疲れが全身を侵食してきた頃ではあった。
眠くもないのに横になっていると、気付いたら眠りに落ちてしまっているという悪循環だ。
ましてや、外は雪。
とても外でリフレッシュという気分にもなれず、だらだらとこたつに潜りこんでいたときに、例によって俺は眠ってしまっていた。


俺はどこで眠っても構わず夢を見る体質で、そのときもぼんやりと夢を見ていたように思う。



夢の中で、俺は下宿先近くの駅前。

再開発の波に追いやられ、俺の目の前で解体されていく唯一のゲームショップ。

ああ・・・・これで俺は、わざわざ電車でゲームを買いに行くのか、と酷く悲しい気持ちになっていた。こんなことなら再開発なんてしなくていいのに・・・・


『・・・っと』

ショベルカーが看板を破壊していく。

『・・・ょっと!』

本当に・・・壊れ・・・

「起きなさい!!」


ものすごい叫び声にはっとして目を覚ますと、なぜか必死に俺の体を揺さぶっている母の姿。面食らって何ごとかと尋ねると、母は真っ青な顔で言った。


「だってあんた、うんうんうなされながら『やめてくれ、やめてくれ』って言うから・・・・何か悩んでいることでもあるの?」



・・・・・・・・。




その夜、深刻な顔で並ぶ両親を前に泣く泣く夢の話をし、『お前いくつだ。馬鹿』と罵られては、『全く仰るとおりで』と頭を下げる意味のわからない一日となったのだった。