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何やら待ち望んでおられる方もおいでなようなので、続きを書くことに致します。
タクシーを呼ぶ間に、腕を冷やしたり百足を追い回したり(結局捕まえられず)をし、とにかく真夜中ではあるが病院へ向かうこととする。
初めてかかったその救急病院はなかなか綺麗な場所で、清潔な空気に先ほどの恐怖が薄れていくのがわかった。
虫の毒の方ですか、など微妙な声のかけられ方をして俯いていた顔をあげると、どうやら俺を診るらしい医師の方のネームプレートが目に入る。
『内科』
「・・・・・」
普通、皮膚科じゃないのか?などという疑問は口に出してはいけないんだろう。とにかく診てもらい、結果の段となって医師の方が口を開く。
「ああー・・・三日間絶対安静ね」
「はあ、三日・・・・三日ぁ!?」
百足ごとき。
確かにそう侮っていたのは事実だ。しかし、だからって何も三日間も安静にする意味はどこにあるんだっ;
幸い大学は休みではあるが、近くサークルの集まりもある。この状況で三日寝込めというのか・・・
「じゃあ、注射打ってお帰りください」
言われて頷き、これは注射器か?と疑問に思うほどの馬鹿でかい注射をされ、ほうほうの体で家路につくこととなった。
さて、タクシーを再度止めて・・などと考えながら財布を覗いて戦慄する。
・・・・所持金・・・・25円・・・・・
コンビニは・・・・
翌日が祝日のためATM起動せず(当時時刻午前一時)
家には・・・
ついこの前やってきたNHKの集金に払ってしまい、家に金の置きはない。
「・・・・・・」
家まで20分。
涙ぐみながらとぼとぼと歩く俺の脳内は、『三日間絶対安静』が唐突に破られたことへの絶望感でいっぱいだった。