最近、といっても結構前からなのだが、古典ミステリーにはまっている。
ドイルから始まり、アガサ、エラリー、ポウ。果ては乱歩まで。
自費で購入となれけば結構な値段だが、幸い大学生である俺は図書室という便利な場所の恩恵に預かっている。

そんなわけで、今日も今日とて図書室で探偵小説を読み漁っていたわけだが・・・



奇しくもテスト近く、俺のように単純に読書しているものは珍しいようだ。皆様真剣な面持ちでノートを開き、教科書やらと睨みあってはペンを動かしておられた。俺の周りにもそういった方がたくさんおられ、図書館としては正当な目的でいるはずなのに何かしら居たたまれなくなった頃、隣にいらした方が口を開いた。

それはとても小さな声だったが、静まりかえった図書室ではかえって響くというもの。
耳を澄ましてみれば・・・



「Zoom Zoom Zoom YES ZoomZoomZoom・・」



・・・・・


CMソングか・・

読書を止めてまで聞くことでもなければ、こんなところで口ずさむものでもないだろうと本に意識を戻そうとした、次の瞬間。
その声は更に隣の方の口から発された。


「ハッ!ッハッ!ッハッ!ッハッ!」



合いの手!?